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たとえば、小型機などでは胴体と垂直に交わるように、翼が真横に伸びているのに、旅客機の翼が後ろ向きに伸びているのを不思議に思われたことはないだろうか。一般的なジェット旅客機の主翼は、機体と垂直に交わる線に対して25?一。一度の角度で斜め後ろに向かって伸びている。この角度は、超音速機「コンコルド」では75度にもなる。なぜ、主翼が真横に伸びていないのか。それは、音速に近い速度で飛行すると、翼の周囲に「衝撃波」が生まれ、これが強い抵抗となり、安定飛行ができなくなるからだ。衝撃波とは、機体が音速に近い速度で飛行する際に、機体から生じるたくさんの音波が重なり合ってつくる、圧力の高い空気層のことである。この衝撃波は翼による揚力の発生を妨げるため、浮力が得られにくくなり、最終的に機体が失速状態に陥ることになる。衝撃波は機体に垂直な気流で最も起こりやすく、翼が斜め後ろか、あるいは斜め前に伸びていれば、その発生を遅らせることができる。ただし、翼を斜め前に伸ばすと、強い気流を翼の先端で受けることになり、強度の点で難がある。そこで、翼を斜め後ろに伸ばす構造がとり入れられるようになった。斜め後ろに伸びる翼を「後退翼」、斜め前に伸びる翼を「前進翼」といい、後退翼よりもさらに衝撃波の抵抗を弱めることができる、コンコルドのもつ翼は「三角翼」という。後退翼はジェット旅客機に多く使われているが、前進翼は高速飛行中に素早く姿勢を変えられるという利点があることから、戦闘機に採用されている。